ぼく、ドラえもんでした

ぼく、ドラえもんでした。
ぼく、ドラえもんでした。

ジャイアンの苦心

『バッキャロー』や『ぶんなぐってやる』などの悪い言葉はTVで使わない。

台本に書いてあっても、悪い言葉を使わないで演じてくれていたそう。
その結果、生まれたのが『のび太のくせにぃ~』だったそうです。
何気なく観ていただけだったけど、言われてみれば確かにそうだったかも。

ドラえもんの舞台

東京都練馬区に住んでいる、ごく普通の小学生。お風呂が大好きな可愛い女の子や、乱暴だけど、気のいい男の子、ちょっとイヤミなところもあるけど憎めない男の子、勉強がとても良くできる子。

のび太くんって練馬区に住んでたんだ!

びっくり!
知りませんでした。

 

収録スタート

最初のドラエモンは『帯番組』だった!

いつもかわらず毎週金曜日に楽しんでいたドラえもん。

最初は毎日夕方六時五十分、月曜から土曜までの週六だったそう。

 

 

私なりのドラえもん

2112年9月3日生まれのあの子は、現代から100年以上未来の世界で、人間のお手伝いをするロボットです。

しかも「子守り用」ネコ型ロボットとして造られました。小さい子どもの世話をしたり一緒に遊んだり、お勉強したりするのが仕事です。

だったら、はじめからけっして悪い言葉はインプットされていないはず、と思ったんです。

ちゃんとご挨拶ができて、目上の人には敬語を使って、まして相手を罵倒するような言葉なんて、絶対言わないだろう、と思ったんです。

 

ドラえもんの力

劇場が超満員だったときの出来事。

『劇場にお集まりの皆さん、こんにちは、ぼくドラえもんです』

ドラえもんの声が聞こえると、子供たちは急に静かになり、シーッシーッ、と言い合いながら真剣に私の声を聞こうとします。

『ホンジツは、大変込み合っています。皆さん押し合ったり、ふざけっこなどしないで、お席のある人はちゃんとお席に座って、小さい子はお母さんと一緒に座ったり、大きなお兄ちゃんは小さな子にお席をゆずってあげたりして、みんなで仲良く、映画を観てください。ぼく、ドラえもんからのお願いでーす』

言い終わったとたん、客席の子供が全員で

『ハーイッ!』

と元気に返事をしてくれました。

子供たちにとって、ドラえもんの存在はすごく大きなものだったんですね。

 

 

みんなと同じ

2人か3人目まで書いたときに、列の後ろの方でザワザワと声がして、車椅子を押したお母さんが前の方へ出ていらっしゃいました。

『うちの子をちょっと先にお願いします』

びっくりして見ている私の前へ色紙を出そうとしているその方に、並んでいた子どもたちは何も言えず、モジモジしています。

『うちの子は、この子は…』

お母さんは、車椅子を前に押し出すように私に見せています。私はサインをしていた手を休めて思わず、

『みんな、同じです。みーんな同じお友だちです。順番で待っていたんです。ごめんなさい、ここで一緒に待っていただけます?』

車椅子の坊やはニコニコしてうなずいています。

長い列の後ろの方は中学生でした。一人の女の子が、

『大山さん、私たちは中学です。あの子を先に書いてください』

と坊やの方を指差しました。

素敵なエピソード。

サイン会で、後ろが中学生ということは、きっと小学生の子どもたちは先に譲って並んでいたのでしょう。

そして車椅子の子にも譲ろうとしている。

大山さんの人柄がそういう雰囲気を作り出しているのでしょうね。

誰一人いやな思いをせずにかえることができたのではないでしょうか。

 

この部分をちょうど電車の中で読んでいたのですが、思わず泣きそうになってしまいました。

危なかった(汗)

 

 

涙のかたまり

涙をふく間もない状態で録音していて…

OKになってふと自分の前を見てビックリ。

マイクの足元に直径3.5センチぐらいの水たまりができています。

ウッ?と思って隣を見ると、ジャイアン、スネオ用のマイクの足元にも、シズカちゃんのも、のび太くんのも、足元に、小さな水のかたまりがあります。

声優さんも、感動的なシーンでな泣きながら演じるんだなぁ。

涙を拭けなくて床に落とすなんて。

伝えていきたいこと

子どもたちがあんなにドラえもんを好きになって、みんなでドラえもんを見てくれている。

ああ、私は、自分の子どもを残せなかった女だ。

でも今、これだけ大勢の子どもたちに愛されているドラえもんを私は演じている。

これをみてくれている子どもたちは、みんな私の子どもみたいなものだ…。

この子たちがみんな良い子で育ってほしい。

 

26年が終わったあと、のび太くん、しずかちゃん、ぼくドラえもんの3人で思わず言った、

『私たち、アニメやっていなかったよねー』の言葉。

そうです。

これはジャイアンやスネ夫、ママたち、みんながそうだったんです。

藤本先生の作られた楽しい世界の中で、喧嘩したり仲良くしたりの毎日は、私たちにとって、絵の中のことではなかったのです。

のび太くんも、ジャイアンも、みーんな生きて生活している本当の子どもたちだったのです。

 

なぜドラえもんの声優陣が一緒に交代となったのか、この本を読んでわかったような気がします。

もはやすべての声優さんたちが、そのキャラクターになってしまったのですね。

こんな一枚岩のような深い深いきずなで結ばれていたんですね。

 

 

私のつたない文章では、伝わり切れませんが、ドラえもんの魅力だったり、声優さんたちの思いだったり、今まで深く考えずに観てきたドラえもんが色々な思いを込めて作られていたことに、改めて感動しました。

 

子供の頃にドラえもんを観ていたことのある方には、ぜひ、お勧めします♪

 

 

 

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